2016年10月、阿部梨園は新しい梨畑の造成を本格的に開始しました。新しい阿部梨園に成長するために、いわゆる規模拡大に挑戦します。現代表になって初めての、一世一代の大仕事です。お客様の需要に対して供給量が足りず、売り切れでご迷惑をおかけしていた品種の増産を計画しています。もちろん新しい栽培技術にも取り組みます。シンボルだった杉林も伐採してしまったわけですから、不退転の決意です。
米や野菜のように田畑を借りてその年のうちに収穫できればいいのですが、永年作物である果樹の生産規模を増やすのは容易ではありません。梨棚を設営し、苗木が育つのを待ち、それなりの収穫量になるのは何年も先のことなのに、その後は半世紀近く生産し続けるので、次世代の担い手に対しての責任もあります。阿部梨園は惜しみない手間で梨を管理する生産方針ですから、栽培面積に比例して、人的資源の育成も必要です。新圃場を意識しながらこの2年間で、組織づくりや人材育成にも取り組んできました。
2015年、2回に分けて杉林を伐採しました。今年の夏には、残った切り株をすべて抜根し、整地しました。今月は「にっこり」収穫の合間に、不要な枝拾い、石拾いをしています。地道ではありますが、今のうちに。
規模拡大は阿部梨園の大きな転機になることは間違いありません。チャレンジの結果、私たちも成長し、お客様や取引先様に喜んでもらえれば最高です。