4月に行う人工授粉は、重要な作業の一つです。人工授粉が成功すれば、目指す理想の大玉生産へ向けて、順調なスタートを切ったことになります。
人工授粉以外にも蜂を使う授粉や、自然交配もあります。人工授粉は一番手間がかかりますが、適量を正確に授粉できるので、無駄な実を減らし大玉生産につながります。
私たちは花粉専用の品種を栽培しています。まず、その品種から花を採り集めます。次に、花から葯(やく)という花粉の入った袋を取り出します。
この小さな葯を10㎏以上集める作業だけでも実に地道です。さらに、その後の人工授粉は遥かに手間がかかります。それでも、大玉生産のために何としてもやり遂げたい作業です。
どうして専用品種を育ててまで人工授粉することにこだわるのでしょうか。それは以下のような理論に基づいています。
- 自分たちで専用品種を育てると、発芽率の高い新鮮な花粉を使用できる
- 発芽率が高いと、受粉率が上がる
- 高い発芽率を信じられると、余分に授粉する必要がなくなる
- 余分に授粉しないと、競合する余分な実を減らすことができる
- 余分な実が少ないと、残す実に栄養が集中して大玉が育つ
新しいメンバーも加わりました。良い人工授粉をし、それによっておいしい梨を提供できるように、現場スタッフ一丸で頑張ります。