園主日記

2020年もよろしくお願いいたします|人工受粉の季節

2020年の初投稿になります。本年も阿部梨園をどうぞよろしくお願いいたします。世界は新型コロナウイルス騒動で一色です。まずは新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々、ご遺族の皆さまに謹んでお悔やみ申し上げます。また、被患されている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

一次産業の現場やお取引先でも、困難に直面している方もいらっしゃれば、変わらず日常を支えてくださっている方もいらっしゃいます。総力戦で次世代にバトンをつなぎたい一心です。

私たち阿部梨園は秋から変わらず今作の梨栽培に取り組んできました。このような状況下ではありますが、梨は順調に生育してくれています。スタッフも毎年スキルアップし、管理作業のレベルはいつになく高まっています。収穫が本格化する8月頃に日本や世界がどうなっているか先行き不透明ですが、梨を楽しみにしてくださっている皆さまに例年どおりお届けできるよう、しっかりと準備していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


さて、2020年の作柄を占う最も大切な作業である「人工授粉」の真っ只中です。テレビや新聞でも、春先にはよく取り上げられている作業ですので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

梵天(耳掻きの綿毛部分)で、狙った花に花粉を付ける作業です。阿部梨園では自家製のフレッシュな花粉で、一花、一花、人の手で授粉します。梵天での授粉は花粉がピンポイントでたくさん雌しべに付着するので、果形が良くなります。また、過剰に結実しない分だけ、一つの花に栄養を集約させて大きな果実になります。もちろん授粉の手間はかかりますが、樹のエネルギーには限りがありますので、養分を有効利用するために大切な一手間です。

梨は大きくて形の良い果実が甘いと言われています。そのための人工授粉という作業です。無駄に花を咲かせないこと。無駄に授粉しないこと。きっちり作り込んでお客様の元にお届けしたいと思っています。夏に大玉で甘い梨を実らせるために、一つ一つの作業をつなぎ合わせていきます。2020年の阿部梨園もどうぞよろしくお願いします。

書いた人について

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Hideo Abe

阿部梨園 ≒ 阿部英生。3代目代表。愛と情熱を注いで梨を生産しています。