今月読んだウェブ記事の中で、印象に残ったものをまとめました。阿部梨園のウェブサイトなので、農業関係が中心です。図らずも今月はITっぽくなりました。
1個の生産原価は何円か–和歌山のみかん畑にみる農業クラウドの実践(ZDNET JAPAN)
http://japan.zdnet.com/article/35070794/
富士通の農業クラウドサービス「AKISAI(秋彩)」を使った早和果樹園(みかん)について取り上げた記事。作業データ、環境データ、生育データの蓄積・解析とそれを用いた改善。佐川が思い描いているような新しい農業を実践している例として、大きなインパクトのある記事でした。製造業出身の私としては特別な取り組み/ノウハウだとは思わないのですが、農業の現場でこれだけ徹底的にデータと向き合うのがどれほど大変かは、容易に想像できます。先を越された!感もあるのですが、自分の見ている未来が間違っていなそうだなという安心感と、成功事例があるという励ましのほうが大きく心に残りました。農業生産法人と大手ITベンダーのタッグだからこそこれほど包括的にできるのでしょう。それを、個人農家と私のコンビでどこまでできるのでしょうか(できないとは思っていないw)!
農業ITに期待しすぎは禁物、最後は人による判断が重要に(IT PRO)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/14/262522/090700191/
サイボウズ社のkintoneを用いて社内アプリを作り、植物工場で使用している例。社内ウェブアプリをつくるならkintoneがいいかなと思っていたので、とても参考になりました。人間が人間にしか判断できないことに集中するために、人間じゃなくても判断できる分野で積極的にITを使う、といったようなことをどこかで読んだことがあります。フルオートメーションを夢想するよりは、(足下の)作業履歴の記録からでも自動化を目指すほうが合理的です。
宿敵「天候」に打ち勝つ農業経営とは(日経ビジネス)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/252376/090900010/
九条ねぎの「こと京都」さんの話。「取引先の期待に応える生産量を確保したければ、需要より多めに作ればいいんだよ☆」という内容は直裁的でつまらないのですが、それでも利益が出るビジネスモデルがあるということです。1つずつ丁寧に作る私たちの梨には応用できそうにありませんが、市場を見渡して大局的な生産計画を立てるという勇気は私たちも学ぶべきだと思いました。
[農業系]スタートアップ100社まとめ inシリコンバレー(WILLFU)
http://willfu.jp/willfulab-3/agri-startup100/
アメリカでは農業xITで新しい企業やサービスが盛んに生まれています。どれも面白いのですが、日本の農業にそのまま使えそうなものは一つもありません。高齢化の日本の農業者にはITも英語もハードルが高すぎます。まあ逆に言えば、若くて英語やITに向き合う気のある農業者には、日本の農業界で生き残るチャンスはいくらでもあるのかなと。