農業経営/阿部梨園の知恵袋

よくわからないことだらけ

梨農家を手伝うようになってまもなく一年。阿部梨園のことはだいたい把握しましたが、梨のことはまだ全然わかりません。技術のことではなく、もっと根本的なことです。誰も教えてくれません。誰もわかってないのかもしれません。


いったい最高の梨はどこにあるのか

阿部梨園は最高の梨を作りたい、最高の梨園になりたいと強く思っています。それなのに、現時点での最高の梨がどこにあるのか、誰が作っているのか、知りません。日本一のところがドーン!と目立っていればわかりやすいのですが、見当たらないのです。

そもそも何を基準にして「最高」と言えるのでしょうか。

  • 品評会の一等賞?
    • 確かに日本一は決まるかもしれませんが、いいものだけ集まるので、平均点での最高とは限りません。1個だけ特別においしく作るとか、おいしいもの1つだけ選んで持ち込むとか、そういう世界です。目指しているものではない気がします。
  • 最も高価な商品?
    • 一番高いものが一番おいしい、そうあってほしいと思います。しかし価格とは品質以外の複雑な要因が加味されて決まります。そもそも、一番高い梨の商品がどこにあるのかもよくわかりません。もっとわかりやすくアピールしてくれたらいいのに。
  • 技術が一番高い梨屋?
    • これが最も確からしいかもしれません。代表が外部研修を受けた師匠(レジェンド)は、技術で右に出る者はいないと言われます。それでも、全国の消費者や青果バイヤーが認める、日本一の梨、というような扱いを受けているわけでもない感じがします。

日本一の梨、日本一の梨農家を探しています。

求められているのはどんな梨なのか

おいしいものがいい、というほど簡単な話ではありません。価格と味のバランス、商品としての価値、サービス、、、さまざまな要因がお客様の心のなかにあるはずです。もしかしたら味よりも日もちするほうが、消費者にとって大事かもしれません。皮がむきやすかったら、梨を選ぶ人が増えるかもしれません。お客様の声をもっと具体的に聞いて、考えを深める必要があります。

阿部梨園は味が一番だと信じて追求しています。もしそれがオーバースペック(過剰品質)だったら、という一抹の不安もあります。高くておいしいものだけが正義なら、マクドナルドは存在しないでしょう。信念を裏付ける情報を求めています。文献やインターネットで入手可能な消費者調査では物足りません。

最高の梨に加えて、最適な梨も探しているということで。

梨のおいしさとは何なのか

これは私の不勉強です。農業系、食品系の文献や学術調査を紐解けば、ある程度は得られると思います。

梨のおいしさとは甘さだけではありません。酸味、水分量、食感などが複雑に味を構成しています。正しく因数分解して、正しく測定できなければ、おいしさの議論もできません。自分の感覚(舌)だけを頼りに、主観的にお客様に提案することになってしまいます。まだまだ味の定義が、とーーーーーーっても曖昧だと思うのです。

測定方式が確立できてはじめて、さまざまな管理作業の工夫が裏付けられるのです。どの肥料が、どの工程が、どれだけ品質に寄与しているか見当がつくようになれば、機械的に組み合わせることも可能です。お客様に自信をもって説明できるようにもなります。

正しい測定には技術も知識も、手間も必要です。科学や統計の理解がないと、不十分な(そして得てして都合のいい)データ採取に終始しがちです。阿部梨園はじっくり取り組みます。研究職でしたからそれなりのノウハウはあるつもりです。


マーケティングや事業計画は、これらの情報なしではあり得ません。手探りが続きますが、わからないことだらけだからこそ、(わかったあとの)未来に光明があるのかもしれませんね。

書いた人について

Tomohiko Sagawa

Tomohiko Sagawa

阿部梨園の司令塔。代表の右腕。経営管理、企画、PR、デザイン、バックオフィス全てを担当しています。

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