右腕コラム

梨畑のスパゲティ:阿部梨園の変わるタネ(7)

梨の販売も最終盤になり、枝の剪定や誘引(枝をひもで矯正する)の季節になりました。前年分の剪定・誘引が終わった今年の春先に、阿部が畑を見て「美しい!」と自賛していたのをよく覚えています。満足のいく出来栄えだったのでしょう。一方、そう言われて畑を眺めた私には、美しく思えませんでした。というのも、、、

目に入るのはしばられた枝と、たくさんの、、、

視界に入るのはしばられた枝と、たくさんの、、、

視界を覆うほどの、使い終わった、枝をしばっていた「ひも」に溢れていたからです。「ひもだらけで、汚い、、、><」というのが、率直な感想です。

剪定・誘引は冬のあいだ中ずっと続く、忍耐の求められる重い仕事です。なんとか開花前に完了させるので精一杯で、不要なひもを除去する余裕はありません。相当の量なので、そのために人を雇っても費用がかさみます。また、経年劣化して畑に戻せるよう、紙ひもを使っているので、放っておいてもそれほど実害はありません。そんな事情で10年分以上のひもが蓄積されています。

さて、プログラミングの世界で、ごちゃごちゃに絡まった解読の困難なプログラムのことを「スパゲティコード」といいます。複雑に絡み合って、どことどこがつながっているかわからない状態が、スパゲティに似ているからです。たとえスパゲティコードであっても、中身に間違いがなければ、問題なく機能することがあります。ところが機能に問題がなくても、修正を加えたり、トラブルに対応したり、引き継ぎをする際などには、非常にやっかいです。結局のところスパゲティ状態は避けるべきということになります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/スパゲティプログラム

私は、畑の不要なひもを、スパゲティコードそのものだと思うようになりました。ひもがスパゲティに似た太さであり、「コード(code)」という英語が「ひも」を意味しているのは言うまでもありません。不要なひもがあっても、梨は育ち、管理作業はできます。しかし、視界に不純物が多いままの作業は、精度や安全性に支障が出がちです。経験の浅いスタッフほど、影響が出ます。現場班に気分よく、精度よく、仕事をしてもらいたい。お客様や取引先の担当者様が畑をご覧になる際に、無駄のないピカピカの畑を、胸を張って披露したい。ひもを取り除く必要があるのではないかという思いが日に日に強くなりました。

以上のような顛末で、佐川が最近、休憩時間を使って自主的にひもを除去するようになりました。運動不足解消が本当の目的ですw 畑を観察しながら、澄んだ空を見上げていい気分転換になります。1日1本くらいしか捗りませんから、数百本ある樹から全てひもを取り除くまで1年以上、、、気長にのんびり取り組みたいと思います。農家に雇われているのに畑仕事を全くしない、というセールスポイントを薄めてしまったことだけは残念です。

世のおいしいレストランの中には、キッチンがきれいなお店も、キッチンが汚いお店もあるでしょう。私は、「整った畑なら梨もおいしいに違いない」、そう感じてもらえる日を夢見て、今日も明日もひもを切ります。

※ ちなみに小学生時代、放課後の遊びといえば「ゴミ拾い」でした(環境問題に対して意識高い系だったので)。他人の家の庭のゴミも集めてきてしまうほど、熱中していました。。。

これがひも未除去の状態。

これが未除去の状態。

これが不要なひもを取り除いた後の状態。全然違うと思いませんか?(アングルと、圧縮効果も違いますがw)

これが不要なひもを取り除いた後の状態。全然違うと思いませんか?(アングルと、圧縮効果も違いますがw)

書いた人について

Tomohiko Sagawa

Tomohiko Sagawa

阿部梨園の司令塔。代表の右腕。経営管理、企画、PR、デザイン、バックオフィス全てを担当しています。

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