農業経営/阿部梨園の知恵袋

アイデア集積の仕組み:阿部梨園の変わるタネ(1)

Microsoft Excelの「条件付き書式」で色分けするとパッと見てわかりやすくなります。

これから少しずつ、阿部梨園がこの1年間で取り組んできたことをご紹介します。今回はアイデアを貯める仕組みづくりです。昨年から経営改善、現場改善のアイデアを貯め始め、10ヶ月で700件になりました。これは佐川が阿部梨園に関わるようになって一番大きなインパクトがあったと思っています。

一例(クリックすると拡大します)

一例(クリックすると拡大します)

アイデアの貯め方・使い方

広く募集する

スタッフ全員に広く募集しました。代表夫人や60代のパートスタッフからもアイデアが集まって、にぎやかなアイデアリストになりました。

代表と佐川はノルマ(週5件)

代表と佐川は週5件のノルマがあります。ネタが尽きないよう毎日探すことになりますw 新聞を読んでもネットの記事を読んでも、自分たちに転用できるアイデアはないか探すようになり、アンテナの感度が高まりました。ちなみに佐川は自主目標で週10件です。

すぐ分類する

ただアイデアを羅列しただけでは使いにくいので、分類しています。カテゴリ別でソートするのも簡単です。カテゴリ別のアイデア数も毎月集計して、どのカテゴリが足りないかウォッチします。

  1. 事業計画
  2. 経営管理
  3. 総務
  4. スタッフ
  5. 生産管理
  6. 商品開発
  7. 販売管理
  8. マーケティング
  9. プロモーション
  10. セールス
  11. その他

みんなで実施可否を決める

主要スタッフ4人で、どのアイデアを実施するかしないか、いつ実施するかを決めます。手間をかけてますが、ここがとてもよく機能しています。3人以上が「早速取りかかる」を選んだら、そのアイデアは即実施検討することになります。今年はできないけど来年こそは、、、というアイデアもストックされます。

お互いに、誰がどんなアイデアを出したか4人で全件チェックするので、それぞれの意見や着眼点を理解するいい機会になっています。

Microsoft Excelの「条件付き書式」で色分けするとパッと見てわかりやすくなります。

Microsoft Excelの「条件付き書式」で色分けするとパッと見てわかりやすくなります。

  1. 早速とりかかる
  2. 2015年中に必ず
  3. 2015年中にできれば
  4. 2016年以降
  5. いつか余裕があれば
  6. 今後も取り組まない
  7. 今は判断しない
  8. よくわからない

実施記録と効果測定をする

アイデアを達成するとすぐ実施記録を残します。毎月どれだけ新規アイデアが出たか、どれだけ達成できたかをグラフで可視化します。KPIの一つです。「あのアイデアいつ達成したっけ?」ということもよくあるのですが、時系列で並べ直すと自分たちの足取りがわかります。

とるに足らないアイデアを歓迎する

相応しいアイデアかどうか迷いだすと、お蔵入りのアイデアが出てしまうので、どんな小さなアイデアでも、どんなくだらないアイデアでも歓迎しています。歓迎するために、わざとくだらないアイデアを出すようにも意識しています、日替わりDJ制度とか。愛おしくもくだらないアイデアは沢山あるので、別な機会に紹介します。

やってよかった副次的な効果

当初期待していた以上の効果があったことは以下の2点です。

派生アイデアが出てくる

これは当たり前ですが、誰かのアイデアに乗っかったり、類似・発展できるアイデアを思いつくようになります。大喜利になったりしますw

直接言いにくい提案はアイデアリストへ、、、

代表へ直接提案しにくいアイデアを口頭で言わずに、リストへ書き込むことがあります。とりあえず4人で審査するまな板に乗せてしまうことになります。耳が痛い進言もあったかなと思いますが、前向きに検討してもらえているので、とても建設的だと思っています。

これからやりたいこと

販売期が終わったら1年分の残ったアイデアを全て精査し直して、次の1年の行動リストを作ります。また、アイデアの思いつき方自体をみんなで勉強し直して、加速してアイデア数が増えるようなスーパー梨園になりたいです!改善アイデアが尽きない限りは阿部梨園の伸びしろはまだあるはずです。

書いた人について

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Tomohiko Sagawa

阿部梨園の司令塔。代表の右腕。経営管理、企画、PR、デザイン、バックオフィス全てを担当しています。

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